「明日の医術 第二編 結論」

2020.09.08 Tuesday 05:55
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    又医師の短命も近来著るしい現象である。
    私は種々の博士の中、医学博士が一番短命ではないかと思うのである。
    これは誰かが統計を作ってみれば面白いと思う。
    少なくとも人の病気を治し、健康を増進させる役目である以上、何よりも自己自身が健康であり長命でなくてはならないし、又その家族の健康においても、医学的知識の少ない世間一般の人々よりも良くなければならないはずである。
    そうでなければ医家としての真の資格は無いと言っても、あえて侮言ではなかろうと思うのである。
    たとえていえばいかに道徳を説くといえども自己が実践出来なければ人を動かす事が出来ないのと同様である。
    故に、今日の医学衛生の理論を最も信奉する人々がふえるに比例して、青白いインテリが増加するという事によってみても明かであろう。
    以上によって、私の創成した日本医術が、既存医術に比していかなるものであるか、読者は大体諒解されたと思うと共に、ここに最も重要なる事は、その治病力のいかに素晴しいかという事である。
    私としては、事実ありのままを告白するとすれば、それは余りに自画自讃に陥らざるを得ないが、言わなければならないから敢て発表するのである。
    病気の根源は毒素である事、毒素とは膿汁又は毒血の凝結したものである事はいうまでもない。
    勿論西洋医学においても、その点は認めているのであるが、ただ異なる点は、西洋医学においては、黴菌によって毒素が増殖せられるというに対し、私の方は、浄化作用によって毒素が集溜するというのである。
    故に、西洋医学の伝染に対し、私の方では誘発と解し、又西洋医学においては、あらゆる病気は、抵抗力薄弱によって、外部から黴菌による毒素が侵入繁殖するというに対し、私の方は、体内において集溜凝結した毒素が、浄化溶解作用によって外部へ排泄される為というのである。

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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