「痔疾患・病患と医学の誤謬」

2020.06.16 Tuesday 04:28
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    「日本人特有の病気に痔疾患がある。この病気症状も種々ある事は、世人が知る通りである。
    その中最も多いのは脱肛であろう。これは、医学でも言う通り、日本の便所の構造が悪い為も確かにある。
    そうして脱肛は、排便方法によって治すのが一番良いのである。
    それは、便所の時間の長いのが、最大原因であるから、これをまず短縮する事である。
    即ち排便が有る無しに関わらず、一回を五分以内とすること。
    ただし、一日何回でも差支えない。
    この方法を一、二年続くるにおいて、必ず治癒又は軽快するのである。
    又今一つの原因は便秘による硬便であるが、これは本治療を施せば容易に治癒するのである。
    次に、疣痔(いぼじ)は、放任しておいても長時日によれば治癒するが、いかなる重症であっても本治療によれば短時日で全治するのである。
    又出血、掻痒(そうよう)症等もあるが、これらも放任しておいても、自然治癒するのである。
    又世人に非常に怖れられているものに痔瘻(じろう)があるが、これは決して怖るべき病気ではないので、最初から放任しておけば、長時日膿が排泄されて必ず治癒するのである。
    しかるに、これを知らない世人は、医療によらなければ治癒しないと思うのであるが、医療は、排膿孔を手術によって閉塞するので、膿は隣接部から穿孔排膿する。
    それを又閉塞する。また穿孔するというように繰返すにおいて、遂には蜂の巣のようになる。
    しかも、これに薬毒が加わるから激烈な痛苦を伴い、頗(すこぶ)る悪性になるのであるが、本治療によれば、いかなる痔瘻といえども完全に全治するので、痔瘻は、私は、治りいい病気と常に言っているのである。
    そうして世間よく痔瘻を手術すると肺病になり易いといわれるが、これはどういう訳かというと元来痔瘻の原因は、軽症なるカリエスのごときものであって、その膿が肛門から排泄する訳であるから、肛門の排泄口を閉鎖すればその膿は肋膜又は肺臓内へ浸潤し、喀痰によって排泄されようとする…それが肺病になるといわれる訳である。
    そうして、痔の出血を世人は恐れるのであるが、これは浄化作用による濁血の排泄であるから、反っていいのである。
    ちょうど、赤痢の血便と同様な意味であって、後頭部の重い症状や、首肩の凝りが、痔出血によって治癒する事がよくあるのである。」 (「明日の医術 第2編」より)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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