「耳鼻疾患・病患と医学の誤謬」

2020.06.09 Tuesday 06:54
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    「耳の病気としては、中耳炎、耳鳴、耳垂(みみだれ)、聾耳等であろう。
    中耳炎はさきに説いたから省くが、耳鳴は医学上原因不明で、治療の方法は無いとされているが、本療法では、耳鳴のほとんどは治癒するのである。
    そうして、原因としては、内耳又は内耳に近い頭脳部、こめかみ部及び延髄部耳下腺等に毒素溜結し、それが緩慢な浄化作用によって溶解する。
    その音響がひびくのである。そうして耳下腺部における毒素溜結が最も多く、殊に面白いのは延髄部の原因も多いので、
    一見、耳に関係のないと思う局所であるが、そこを治療するにおいてよく治癒するもので、患者も施術者も意外に思う事がある。
    しかしながら、耳鳴は放任しておけば大抵は治癒するものであるが、ただ長年月かかるので、患者は煩悶し迷って種々の療法を試みるが、ほとんど効果はないようである。
    次に耳垂は、浄化作用による淋巴腺部の毒素が、耳下腺を通じて排泄せらるるのであるから、放任しておけば自然に出るだけ出て、必ず全治するものである。
    しかるに医療は、薬液にて洗滌するが、実に誤れるもはなはだしいので排除さるべき毒液が外耳に滞溜した場合、それは洗滌してもしなくても同じ事である。
    ちょうど、歯糞を掃除しても食事をすれば、直ぐに元通りになると同じ様なものである。
    しかし、ただ洗滌だけならいいが、その薬液が粘膜から浸潤して毒液に変化し、排泄されるのである。
    即ち、排泄した毒素を洗いながら新しく毒素の原料を追加するという訳であるから毎日洗滌に病院へ通い、三年も五年も経っても治らないという患者がよくあるが、それは右の理によるからである。
    そういう患者に対し、医療を停止させ、放任させるにおいて、数ケ月にして自然に治癒した例を、私はしばしば経験したのである。
    次に聾耳は、先天的と後天的とあり、又、病的と霊的との区別がある。
    霊的の方は後に説く事とするが、病的だけを説いてみよう。
    これは然毒が耳下腺から内耳へかけ、聴感神経部に固結して、その神経機能を抑圧し、無力にするので、これは非常に治り難いのである。
    しかし、固結の強弱と、固結部の位置によって治り易いのと治り難いとの差別がある。
    ここに注意すべきは、医療においては欧氏管通風をよく行うが、これは非常に危険である。
    この方法で、軽微の聾耳が全聾になった例を、稀にみるのである。そうしてこれは、いかに治療してもいささかの効果もなかったのである。

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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