「喘息・病患と医学の誤謬」

2020.05.31 Sunday 05:40
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    そうして、私の発見によれば、心臓性喘息は、こういう原因によるのである。
    それはまず、患者の横隔膜の下辺…即ち胃の上部及び肝臓の上部を診れば必ず腫脹していて微熱がある。
    そこを圧すれば硬化していて多少の痛みを感じ、毒素溜結がよく判るのである。
    これが第一の原因であって、次に、背部心臓の裏面も同様である。
    又、胸部及び腋窩(わきのした)及びその肋骨部を指頭にて圧すれば、相当強痛を感ずるのである。
    これは右の付近に毒素が溜結しているのであって、これが第二の原因である。
    次に肩部(重に左)臍部の周囲及び大腸部(重に右側)鼠蹊腺部(重に右)背面腎臓部(右又は左)等これが第三の原因である。
    原因は、右に示した通りであるが、第一は喘息の主因ともいうべきもので、喘息の本格的原因である。
    特に発作は第一が主で、第二が次であって、第三は、発作の原因とはならず、ただ咳嗽の原因となるのである。
    そうして何故に発作が起るかというと、第一の原因即ち横隔膜下辺及び心臓裏面の毒素溜結が、浄化作用によって溶解し、それが喀痰となって肺臓内に浸潤して排泄されようとする場合喀痰が濃度の場合と、
    人により肺膜が厚性の為、容易に喀痰が浸潤し難いので、肺臓自体の方から喀痰を吸収すべく、強大なる呼吸を営なもうとするので、それが発作である。
    その証左として注射を行った後、必ず喀痰を排泄すると同時に発作が止むによってみても瞭(あきら)かである。
    又、私の経験によるも、治療の際喀痰の排泄がある毎に発作は軽減してゆくのである。
    又、この症状は必ず食欲不振であるがそれは常に毒素が胃を圧迫しているからである。
    従って、軽快に赴くに従って、患部の腫脹は柔軟となり、小さくなるに従って、胃は活動を始め、食欲も漸次増加するのである。
    又第二の原因即ち肋骨部の毒素溜結も、第一とほぼ同様の作用をする。
    第三の原因は咳嗽だけであるが、発作や呼吸困難を促進する事があるから、これらも除去しなければならないのは勿論である。
    右の原理が正しいという事は、いかなる喘息といえども、本療法によって完全に治癒せしめ得るにみて、疑う余地はないのである。
    右に示した第一、第二、第三の原因について、今少しく説いてみよう。喘息には遺伝即ち先天的原因も相当あるが、後天的原因の方が多いのである。
    しからば、後天的原因とは何ぞやというと、まず肺炎に罹るや、肺炎の特性である多量の喀痰の排泄を医療は抑止するが故に喀痰はある程度排泄されても相当の量を残存する事になるので、その喀痰は上より下へという具合に肺臓下へ逆浸潤を為し、横隔膜下辺に集溜凝結する。
    又心臓裏面の毒結は、萎縮腎の余剰尿で、これが第一原因である。
    次に、第二原因は、尿毒及び薬毒が胃や肝臓の上部及び肋骨とその付近に集溜するのである。
    特に薬毒が多いのであって、必ず発熱を伴い、人により肋間神経痛と同様の痛みがある事がある。第三の原因は、感冒の咳嗽と同様である。
    又、小児喘息もあるが、これは、小児病の項に詳説する。」 (「明日の医術 第2編」より)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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