「腎臓及び糖尿病・病患と医学の誤謬」

2020.05.27 Wednesday 07:05
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    独逸(ドイツ)において、万病尿酸説を唱える学者があるというが一面の真理はあるのである。
    故に、腎臓萎縮は完全に治癒させなければならないが、それは蛋白の排泄によってのみ治癒するのであるから、蛋白の排泄こそ、最も必要な訳である。
    右の理が未発見である医学は、蛋白の排泄を恐れるので、その為塩分禁止を行うが人体は塩分を摂取しなければ著しく衰弱する。
    又牛乳飲用も衰弱を増し、安静療法も同様で、この三種の方法を行う時、完全に衰弱するから浄化作用は停止さるるので腎臓部の微熱は無熱となり、従って、無蛋白尿となるからそれを治癒するように思うのである。
    しかし、真の治癒ではないから、一度腎臓病患者となるや慢性となり、一進一退の経路を辿(たど)り、全治する例は稀である。
    この理によって、速かに治癒させようとすれば、大いに運動をなし、高熱を出し、蛋白を多く排泄させる。
    それが最良の治療法で勿論食事は普通食でよいのである。
    次に、腎臓結核は極稀(ごくまれ)であって、誤診の方が多いのである。
    そうしてこの患者は医家においては左右いずれかの腎臓の剔出をすすめるのである。
    しかし、手術の結果は予後良好であったとしても、全身的活力は減じ、普通人としての活動はまず困難であるといえよう。
    そうして、医家は血尿によって結核の診断を下すようである。
    しかし、私の経験によれば、腎臓以外の原因による血尿もあるのである。
    それはいかなる訳かというと、多くは両鼠蹊腺(そけいせん)上部の微熱又は軽熱の腎盂炎(じんうえん)による発熱の為、輸尿管の付近が常に熱せられているので、尿が輸尿管を流下する際熱尿となり、それが尿道を通過するので、尿道粘膜の薄弱なる人は、粘膜が火傷するので、その火傷部の欠陥から血液が浸潤して血尿となるのである。
    これらは右の微熱部の毒素を溶解するにおいて、大抵数日間で容易に全治するのである。
    しかし、稀には真の結核性腎臓病もあるが、これは腎臓部に痛みがあり、それが膀胱に移行し、摂護腺から睾丸にまで移行するという悪性で、非常に痛苦があり、最も難症である。
    次に糖尿病であるが、これは医学上、膵臓(すいぞう)の疾患とされている。
    それは膵臓によって製出されるインシュリンなる成分が不足するのが原因といわれ、医療はインシュリン注射を行い一時は相当の効果はあるが、根本治療の方法ではないから往々再発し、全治は不可能である。
    そうしてこの病気に対し、医療では極端な食事の制限をなし、糖分を与えないようにするのは勿論、種々なる食物を摂らせるので、患者の苦痛と経済的負担は少なからぬものがある。
    しかも米食までも制限するから、日本人としては最も困る訳である。
    私の研究によれば、この病気は毒素溜結が、膵臓及び肝臓の下部を圧迫しているので、右の毒結を溶解するにおいて、完全に治癒するのである。
    そうして私が治療の際は、食物は、普通食によって治癒するのであるから、食物の制限など必要はないのである。
    しかし近来、医家によっては普通食を摂らせるとの事であるが、これらは覚醒した訳である。」 (「明日の医術 第2編」より)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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