「胃疾患・病患と医学の誤謬」

2020.05.24 Sunday 06:51
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    故に空腹即ち食欲があれば食い、なければ食わないというようにするのが本当である。
    従って、正しい食事法とは食いたい時に食いたいものを、食いたい量だけ食う…という、言わば自然である。
    そうして食いたいと思う物は、その時何らかの必要上、身体が要求している為であるから、それを食えばいいのである。
    又量も同一の意味で、必要なだけ即ち食いたいだけ食うべきである。
    又食いたくない物を薬になるとか、栄養になるとかいって我慢して食うのも間違であると共に、食いたい物を我慢して食わないのも不可である。
    又食欲があるのに喰べ過ぎるといって中止するのも不可であり、満腹して食欲がないのに、無理に詰込むのも勿論不可である。
    要は飽くまで自然でなければならないのである。
    しかし、右の方法が良いからといって、境遇上、何人も行う訳にはゆかないので、食事時間の一定している人は、その場合、量によって加減すればよい訳である。
    そうして食物は、空腹でさえあれば、いかなる物も美味であり美味であれば、栄養満点である。
    故に、右のごとき食事法を実行すれば、消化不良など絶対あり得べきはずがないのである。
    しかるに、不自然な食事法と共に、軽症の胃病発生するや、大抵は胃薬を服用するのである。
    胃薬は消化剤であるから、最初は消化を援け、苦痛は解消するから治癒したように思うが、真の治癒ではないから、また発病しまた服薬、又治癒しまた発病するというように繰返し、終には本格的胃病となるのである。
    元来消化薬なるものは、重曹が主であり、食物を柔軟にするのである。
    所が本来、胃の腑の役目は、嚥下した食物を胃自体の活動によって柔軟にするのにあるが、その役目を消化薬が分担するから、胃の活動力は漸次退化する。
    退化するから不消化になる。不消化になるから消化薬を服むというように、悪循環作用となって、胃は漸次弱体化するのである。
    加うるに一旦吸収された薬剤は、薬毒に変化し、胃中に還元されて胃壁外へ浸潤し、凝結するの
    で、その凝結が胃の圧迫材料となって胃はいよいよ萎縮し、鈍化し、弛緩するのでこれが即ち胃下垂である。
    又薬毒を解消すべく、自然作用は胆汁をしきりに胃に向って送入する。
    これが、胃酸過多症である。又胃部に溜結せる毒素の浄化作用が胃痛の原因である。
     

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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