「病患と医学の誤謬」

2020.05.19 Tuesday 06:38
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    「西洋医学における誤謬は、事実を基礎として理論的には充分説いたつもりであるが、なお重(おも)なる病気に対し、実証的に検討してみよう。」
    一、扁桃腺炎、盲腸炎、手術
    「現代医学の診断において、誤謬の多い事は、多数の患者を取扱われた経験豊富の医家はよく知っているはずである。
    何よりも医科大学において、診断と解剖の結果とを照合してみれば、思半(なか)ばに過ぎるであろう。
    まずそれらについて、事実によって順次解説してみよう。
    近来、最も多い病気として扁桃腺炎なるものがある。
    この病気は大抵の人は経験しているはずであるから、まずこれから採り上げてみよう。
    元来、この扁桃腺なる機能はいかなる役目をしているものであるか、又扁桃腺炎なるものは、いかなる理由によって発病するものであるか、恐らく医学においては未だ不明であろう。
    何となれば、手術によって除去するのを最上の方法としている位だからである。
    そうして手術の理由としては、扁桃腺は不必要であるばかりではなく、反って有害な存在であるとしている。
    故にもし医学で言うごときものでありとすれば、それは人間を造った程の偉大なる造物主が、無益にして有害なる機能を造ったという訳である。
    医学が不必要視するものを、造物主は必要とされた訳になろう。…
    という事はまことに不可解極まる話ではあるまいか。
    仮にそうだとすれば、造物主の頭脳よりも医学者の頭脳の方が優れているという事になる。
    造物主即ち神よりも、人間である現代の医学者の方が上位であるとは驚くべき僭越ではあるまいか。
    しかるに実は、医学者といえども、造物主に造られたのである。医学者がいかに学理を以てするも、一本の睫(まつげ)一ミリの皮膚さえ造り出す事は到底不可能であろう。
    故に、扁桃腺が不必要というのは、その存在理由が未だ判明しないに関わらず、判明したように錯覚した結果が手術を生んだというべきであろう。
    しからば、扁桃腺なるものは何が故に存在するのであるか、私の発見によれば、非常に重要なる使命を果しているのである。
    それは人体において、最も毒素が集溜し易いのは頸部淋巴(リンパ)腺付近である。
    そうしてこの集溜毒素は、浄化作用によって排泄されなければならないので、さきに説いたごとく、第一浄化作用によって一旦扁桃腺に毒素が集溜し、凝結し、それが第二浄化作用の発熱によって溶解し、液体となって排泄せらるるのである。
    即ち、扁桃腺は、毒素の排泄口である。この理によって、扁桃腺の起った場合、放置しておけば、浄化作用が順調に行われ、普通二、三日で治癒するのである。
    しかるに医療はこの場合、ルゴールの塗布や氷冷、湿布、下熱剤等よって浄化作用の停止を行うから、浄化作用とその停止との摩擦を起し、治癒までに相当の時日を要するという結果になる。
    そうして一時治癒したとしても、実は真の治癒ではなく、浄化発生以前に還元させたまでであるから、扁桃腺固結は依然としている。
    しかしそればかりではない。その後に集溜する毒素が加わって、固結は漸次増大する。
    再び浄化が起る。また浄化を停止し還元させる。
    かような事を繰返すにおいて慢性症となり、固結はいよいよ膨大する。
    これを扁桃腺肥大症というのである。

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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