「既存療法」

2020.05.17 Sunday 06:28
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    次に、電気及び光線療法であるが、これも、概略説明してみよう。
    この療法の根本は毒素を固結さすのであるから、病原である毒素溶解作用を停止するのみならず、むしろ浄化作用発生以前よりも固結が強化されるので、従って容積も著しく減少し、ある程度治癒したと思うのであるが、実際は固結さしたので、最初の病気発生の苦痛とは違った苦痛が生ずるのである。
    それは最初の病気症状は、毒素溶解作用の苦痛であるが、後の症状はその反対である固結の為に支障を及ぼす苦痛で、その位置により苦痛は一定していないもので、位置によっては苦痛のない事もあるのである。
    しかしながら、死に直面した重症に対し、電気療法によって起死回生の偉効を奏する事も聞くが、固め療法もその症状によって適合する場合、効果は確かにあろう。
    そういう人は電気療法を讃えるのである。
    しかしながら、私の経験上、レントゲン療法は悪いのである。これは、最も能く毒素を固結させるからである。
    次に、氷冷及び湿布療法はさきに述べたから略すが、咳嗽に対して吸入療法を行うが、これは実に馬鹿馬鹿しいのである。
    何となれば、さきに説いたごとく、咳嗽の原因は咽喉ではないから、吸入法をいか程行うも何らの効果はないのである。
    又、温めるという温熱療法があるが、これも病気により一時的軽快を得る事があるが、病気により反って悪化さす事もあるのである。
    又感冒の際、全身を温めて発汗さす事を良いとしているが、これも誤りで、発汗さすよりも自然に放任しておく方が反ってよく治癒するのであってすべて自然が良いのである。
    次に癌に対しラジウム放射を行うが、これも何ら効果はないのである。
    その証左として私は唯一の事実を挙げるにとどめる。それは彼の東郷元帥の喉頭癌に対し、その当時三十五万円のラジウムを使用したに関わらず、半ケ年にして生命を失ったことである。」 (「明日の医術 第2編」より)
     

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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