「惟神医術」

2020.04.29 Wednesday 06:55
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    「私が創始したこの医術こそは、真の日本医術であり、日本的療法と思うのである。
    それについて私は、別の方面から観察してみたいのである。
    別の方面とは何であるかというと、それは日本神道即ち惟神(かむながら)の大道によってである。
    そうして、惟神の大道とは、私の考察によれば、日本之道否日本人の道、否々未来における世界人類の道であると思うのである。
    しからば、惟神とはいかなる意味であるか。
    これについて、昔から今日まで種々に説かれているが、私は惟神之道とは、大自然の道というのが最も適切ではないかと思うのである。
    元来、天地間の森羅万象あらゆる物の生成化育、離合集散、栄枯盛衰は自然の理によるのでそれによって無限の進展を遂げつつあるのがこの世界であって、その実相を観る時、不自然なるがごとくにして自然であり、偶然に似て必然であり、空漠たるごとくにして厳然たる法則あり、全く人間の叡智や学理によっても到底窺知し得べからざるものがある。
    そうして、大自然の動きは真理そのものである事は勿論である。
    そうして真理の具現者であり、宇宙の支配者である者、それを尊称して神というのである。
    故に、宇宙意志というも神の意志というも同一である。
    この理によって大自然そのものが神の意志であり、大自然の実相が神意の具現であるといえよう。
    この意味において、人間なるものは大自然の中に呼吸し、大自然の力によって生育するのである。
    故に、生死といえども大自然即ち神意のままであるべきである。
    故に、大自然に逆えば滅び、大自然に従えば栄えるのは言うまでもない。
    この理によって人間の師範とすべき規(のり)は全く大自然であって、大自然のままに行く、即ち大自然に習う事こそ、神意に習う事であり、神意のままに進む事であり、それがカムナガラである。
    実に惟神とは玄妙至極な言霊(ことたま)というべきである。
    右の理を人間の健康に当嵌(は)めて解釈する時それは明かである。
     

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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