「医学とは何ぞや」

2020.04.26 Sunday 04:17
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    「医学とは、言うまでもなく総ての病気を治し国民の健康をより良くし、それによって国家の進運に貢献すべきものである事は勿論である。
    従って、幾多の国家機構中における最も重要部門として、政府から特殊待遇を受けている事もその為である。
    しかも刻下の重要案件である人的資源の問題を解決すべき鍵を握っているにみて、医学の使命たるや、いかに重要であるかは、議論の余地はあるまい。
    私は今まで、理論と実証とを以て西洋医学の誤謬のことごとくを指摘したつもりであるが、ここに見逃す事の出来ない問題がある。
    それはさきにも説いたごとく、医家及びその家族の健康問題である。
    私は思う。現代医学が真の意味において進歩せるものであるとすれば、その実証が適確に現われなくてはならないはずである。
    いかに学術的理論を構成し、新説を発表し、新薬や機械や方法の進歩を誇称するといえども、それが実際的に効果を示さないならば、何らの意味をなさないであろう。
    故に私は、真に医学が進歩したとすれば、その実証を世に示すべきであって、吾々のごとき西洋医学非難者をして沈黙せしむべきである。
    万一それが不可能であるとすれば、医学の進歩という言葉は空虚でしかあるまい。
    もしそうであるとすれば西洋医学を一旦解消し事実を基礎とする新しい理論の下に、再建すべきではないかと思うのである。
    私がかような事をいえば、それは余りに極端論と思われるかも知れない。
    しかし私は、徒(いたず)らにかような説を唱うるのではない。
    唱うべき理由があるからである。
    それについて忌憚(きたん)なく解剖してみよう。
     

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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