「栄養学」

2020.04.08 Wednesday 06:29
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    「現代医学において栄養学は相当進歩されたと思われている。そうして医学における解釈は次のごとくである。」
    某専門家の記事による
    「私どもは、毎日誰でも三度は大概欠かさずに食事をする。
    これは日常体内で失われている物質を補うためと、一方では新しく身体の組織をつくる必要からである。
    こうして体内では、断えず分解作用と合成作用の二つが行われているのである。
    新陳代謝というのはこの二つを総称したものである。
    ところで体内で食物がそれぞれ消化吸収されてそれから補給物質になったり、合成物質になったりするまでにはどんな経過をたどるのであろうか。
    まず蛋白質からいうと、消化器の中で分解されてアミノ酸になったのは、腸壁から吸収されて血液の中へ入り肝臓を通過して血液と一緒に全身に送られて、各組織に分配されるのである。
    かくして組織に達したアミノ酸は、そこでそのところの組織に特有な蛋白質に組立てられ、一部分はアミノ酸からさらに分解されて尿素、尿酸、アンモニア、クレアチン、クレアチニンそれに無機塩類となって尿の中へ排泄されるものである。
    以上のように蛋白は消化するとアミノ酸として組織の合成に用いられるが、一部は含水炭素や脂肪と同じように燃焼して運動エネルギーとなるものである。
    蛋白質はこの程度にしておいて、つぎは含水炭素だが、この方は最後には単糖類のブドー糖に変化して腸壁から吸収されて静脈へ入り門脈によって運搬される。
    したがって、含水炭素を一時に沢山とると、血液の中の糖分が増加してくる。
    そして沢山とった時は肝臓に行ってグリコーゲンとして貯えられ必要に応じて、再びブドー糖となって補給されるのである。
    このブドー糖は血液中の酸素によって酸化燃焼して、主として運動エネルギーを供給するが、同時にこの場合沢山の炭酸ガスを生ずる。
    運動が激しければ激しい程ブドー糖の酸化作用はさかんで、これに従って肝臓に貯えてあるグリコーゲンが引張り出されて補いをつけてゆく。
    しかしブドー糖の酸化によって炭酸ガスを生ずるまでには、いろいろの中間産物がある。
    尿酸はその一つで、従って尿酸の量を測ると疲労の程度が分るといってこれも行われる。
    なおこの外に含水炭素の一部分は、体内で変化して脂肪となり沈着する。
    で含水炭素の食品を沢山食べると体内脂肪が増加して次第に肥満してくるということになるのである。
    つぎに脂肪であるが、これは胃の中で一部は消化吸収されることがあるが、大部分は腸へ行ってから膵液中の脂肪分解酵素ステアプシンのために、脂肪酸とグリセリンに分解され腸壁を通って吸収され、再び脂肪となり、淋巴液と一緒に乳状態となって体内をめぐり静脈へ入って、脂肪の一部はその後に体内脂肪として蓄積され、一部は酸化燃焼してエネルギーとなる。
    しかし含水炭素と違って、これは主として熱のエネルギーとなって行くのである。」(記事は以上)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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