「種痘は如何にすべきや」

2020.03.28 Saturday 06:31
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    「私は、国民体位の低下と、あらゆる病気は種痘が主なる原因であるという事を説いたのであるが、しからば、種痘を直ちに廃止すべきやというに、それは勿論困難である。
    何となれば、せっかく天然痘疾患を免れ得ている現在の人間が、再び天然痘に罹病するという事は、堪え得られぬ苦痛であるからである。
    この意味において、私は漸減的方法を採ればいいと思うのである。
    それはまず薬剤の廃止を行い、人間から薬毒を漸減せしむる事である。
    勿論、本療法を施行すれば早いが、そうでなくとも自然によっても漸減する事は言うまでもない。
    そうして人間の体位向上に比例して種痘を減少するのである。
    それは毒素の有無によって明かであるから、その毒素の有無を確実に知る方法があればいいのである。
    しかるに、それを知る方法としては、本医術を修得すれば、何人といえども容易に発見し得らるるのである。
    そうして腎臓医術の項目に詳説したごとく、腎臓の活動を完全にするにおいて、いかなる毒素も排泄され得るのであるから、天然痘毒素といえども解消する事は勿論である。
    右のごとくにみて、種痘廃止という問題も、左程困難でない事を知るであろう。」 (「明日の医術 第1編」より)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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