「肺結核」

2020.03.10 Tuesday 06:15
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    次に医学の診断について説いてみよう。
    ラッセルについてはさきに説いた通りであるがマントー氏反応即ちツベルクリン溶液の注射についていえば、医学の解釈によれば注射した部分が紅潮又は腫脹、水泡、潰瘍になる場合陽性であり、既に結核に感染したものとしており、右のごとき兆候のないものを陰性となし更にツベルクリンを濃度にして注射をすると陽性になるものがあり、陽性者といえども治癒したものと未だ治癒しないものもあるとしている。
    又陰性者なら結核に感染していないのであるが、何らかの機会に結核に感染して陽性に転化する事もあるとしている。
    右のごとくはなはだ曖昧極まるものである。
    しかるに私の解釈においては、血液に異物を注入するから直ちにその異物を解消すべき浄化作用が起るので、それがその部に腫脹や紅潮の変化を起すのである。
    ちょうど毒虫や蜂に刺されたのと同一の理である。
    故に、陽性者は浄化作用旺盛の為であり陰性者は弱体の為浄化作用が起り得ないのであり、注射液即ち薬毒を濃度にするにおいてようやく浄化作用が起るのである。
    しかしながら無毒のため浄化作用不発生による陰性者もあるがこれらは極稀(ごくまれ)である。
    又赤血球の沈降速度とは、血液中に毒素があれば混濁(こんだく)しており、その毒素の多い程重量があり沈降速度が速いのである。
    故に、混濁血液者ほど浄化作用即ち病気が起り易い訳である。
    次に結核菌は絶対に伝染するものではないので、それは次の項目に詳説する事とする。
    次にレントゲン写真について説明してみるが、医家は写真に雲翳が見えるだけで肺結核と断定するが、これははなはだ軽率である。
    何となれば写真は平面に写るものであるから肺臓の内部の毒素と肺臓外…即ち肋骨又は肋骨付近の毒素であるか区別がつかない事である。
    私の経験によれば結核初期の患者においてはそのほとんどが病源たる毒素は肺臓内でなく肺臓外即ち胸部又は背部の皮下肋骨付近にあるのである。
    又この毒素も然毒、尿毒、薬毒の差別があるが、レントゲン写真では判明しないのであるが私の創成した指頭診断法によればそれらも適確に判明するのである。
    次に喀血は非常に良いのである。
    それは毒血が浄化作用によって排泄されるからである。
    医学においても喀血性結核は治癒し易いとしてある。
    そうして喀血の局所は一定していないのであって、多くは肺臓外部の一局部に浄化作用によって毒血が凝結するか、又はそれが肺臓内に浸潤して凝結する場合、発熱によって溶解喀血するのである。
    ここに注意すべきは脳溢血発病の際脳に溢血せずして喀血に変ずる事がある。
    多くの医家はこれを肺の喀血と誤診するが、何ぞ知らん実はこれによって脳溢血を免れ得たのである。
    次に盗汗(ねあせ)は最良の浄化作用であって、高熱によって溶解され稀薄な液体となった毒素が皮膚の毛細管から排泄されるので、これによって大いに治癒は促進されるのである。
    私の経験上、盗汗ある患者又は治療によって盗汗作用が起った患者は例外なく成績が良いのである。
    ちょうど感冒の際発汗すると共に下熱治癒するのと同一の理である。
    しかるに医学においては盗汗は疲労の結果であるとなし、盗汗を止めようとするがこれは誤りであって、疲労の為ではなく却って浄化作用旺盛の為であるのである。」 (「明日の医術 第1編」より)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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