「酸素吸入の誤謬」

2020.01.14 Tuesday 08:47
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    「重態の病人に対し、酸素吸入を応用する事が流行しているが、これが非常な誤りであって、反って病気には良くないのである。
    何となれば、人間が二六時中、呼吸して生きている天与の空気は、酸素や窒素、水素等完全に調和密合されたる完全無欠なものである。
    従って、特に酸素ばかり吸収するという事は、常識から考えても、その誤謬である事が、まことに瞭(あき)らかである。
    もし、健康体の人間が酸素吸入をしたなら、僅かに健康に異常を来すであろう。
    況んや、病人においておやである。
    これについて、最近、非常に面白い発見があった。
    それは風邪を治療するのに、飛行機に乗ると好結果があるというのである。
    最近、倫敦(ロンドン)の医師、ピーボールトン博士とエフェーノット博士によって称えられている。
    それは、一万フィートの高空を、約三十分間飛行すると、初期の風邪なら忽ち治ってしまうという事である。
    その説明としては、酸素が稀薄なので、身体組織は酸素を得ようとして、活動を開始するからであると言うのである。
    故に、この理から推せば、酸素吸入は、反って反対である事を識るのである。
    であるから、酸素吸入は、反って害があるという学説が、いずれは唱導されないとも限らない。
    その結果ついに自然空気を吸うのが一番良いという事になるのは、火を睹(み)るよりも瞭らかである。」 (「新日本医術書」より)

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -
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