天狗界.1

2019.10.11 Friday 08:59
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     天狗界は、各地の山嶽地帯の霊界にあって、天狗なるものはそれぞれ山の守護としての役を司っている。又名山などで高級な神霊の鎮際されている所では、その神霊の下にあって山に関する種々の業を司っている。そうして天狗界にも上中下の階級があり、総主宰神は鞍馬山に鎮座まします猿田彦命である。
     天狗には人天及び鳥天の二種がある。人天とは人間の霊であって、現世に於ける学者、文士、弁護士、教育家、神官、僧侶、昔は武士等で、死後天狗界に入るのである。又鳥天とは鳥の霊であって、鳥は死後悉く天狗界に入り人天の命に従って活動するのである。
     鳥天の内、鷲や鷹のような猛鳥は天狗界に於ても非常な偉力を発揮している。以前私は小田原の道了権現の本尊が、或婦人に憑依したのを審神(さにわ)した事があったが、それは何千年前の巨大な鷲であって、鷲の語る処によると昔は大いに活躍したが、近年片翼を痛め、思うように活動出来ぬと嘆声を漏らしていた。
     烏天狗は勿論鳥の霊で、天狗界では主に神的行事を行い、特に神聖なる階級とされている。又木葉天狗といわれるものは小鳥の霊で、通信、伝令や使者の役目をしている。
     昔から天狗は鼻高と称え、、絵画や面なと非常に鼻を高く表わしているが、これは事実である。又赤い顔をになっているが、天狗は酒が好きだからである。
     次に天狗の生活であるが、彼らが最も好む行事としては議論を闘わす事で、それは論戦に勝てば地位が向上するからである。したがって現世に於て代議士、弁護士等の業務に携わるものは天狗の再生又は天狗の憑霊者である。議論の次に好むものは碁、将棋で、私は天狗から天狗界の将棋を教わった事があるが、現界のそれとはよほど異うようである。又書画詩文等も好むが、何といっても飲酒は彼等にとって無上の楽しみである。天狗界の言葉は、現界の言語とは余程異なりサシスセソの音が主で、その長短の変化によって意思を交換するのである。天狗の語る処を見ると、口唇と舌端と上顎との三者を合致し、音声を出し乍ら、主に上下の口唇の動きによって言語を表わすのである。
     又天狗の空中飛翔は独特のもので、よく子供らを拉し、空中飛翔によって遠方へ連れ行く事がある。彼の平田篤胤の名著「寅吉物語」中の寅吉の空中飛翔は奇抜極まるもので、又秋葉神社の三尺坊天狗の活躍も面白い記録である。天狗は人に憑依する事を好み人を驚かす事を得意とする。彼の牛若丸が五条の橋上で弁慶を翻弄したり、義経となってから壇の浦合戦の時船から船へ飛鳥の如く乗り移ったという事蹟なども全く天狗の憑依したもので、彼が鞍馬山に於て修業の際、猿田彦命より優秀なる天狗を守護神として与えられたものであろう。その他武芸者等が山嶽に籠り、修業の結果天狗飛切りの術などを得たり、宮本武蔵の転身の早業などは何れも天狗の憑依によるのである。
     

    category:霊界について | by:mistoshicomments(0) | -
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