死後の種々相.2

2019.09.30 Monday 08:40
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     以前こういう例があった。その当時私の部下に山田某という青年があった。或日彼は私に向かって急に「大阪へ行かなければならない事が出来たから暇をくれ」というのである。見ると彼の顔色挙動等普通ではない。私はその理由を質ねたが、その言語は曖昧不透明である。私は霊的に調べてみようと思った。その当時私は霊の研究に興味をもちそれに没頭していたからである。先ず彼を端坐瞑目させて霊査法にかかるや、彼は非常に苦悶の形相を現わしノタ打つのである。私の訊問に応じて霊の答えは次の如きものである。「自分は山田の友人の某という者で、大阪の某会社に勤務中、その社の専務がよからぬ者の甘言を信じ自分を馘にしたので、無念遣る方なく悲観の結果服毒自殺したのである。然るに自分は自殺すれば無に帰すると思っていた処、無になる処か死の刹那の苦悩が何時までも持続しているのであまりの予想外に後悔すると共に、これも専務の奴が因であるから、復讐すべく山田をして殺害させようと思い、自分が憑依して大阪へ連れて行こうとしたのである」。この言葉も苦悶の中から途切れ途切れに語った。尚彼は苦悩を除去して貰いたいと懇願するので、私はその不心得を悟し苦悩の払拭法を行うや、霊は非常に楽になったと喜び厚く謝し、兇行を思い止まる事を誓い、去ったのである。
     右憑霊中山田は無我であったから、自己の喋った事は全然知らなかった。覚醒後私が霊の語ったままを話すと、驚くと共に、危険の一歩手前で救われた事を喜んだのであった。
     これによってみても人間は如何なる苦悩にあうも、自殺は決して為すべからざるものである事を知るべきである。
     特に世人の意外とする処は情死である。死んで天国へ往き、蓮の台に乗り、たのしく暮らそうなどと思うが、これは大違いである。それを詳しくかいてみよう。
     抱合心中などは霊界へ往くや、霊と霊とが密着して離れないから不便この上なく、然も他の霊に対し醜悪を晒すので後悔する事夥しいのである。又普通の情死者はその際の想念と行動によって背と背が密着したり、腹と背が密着したりして凡ての自由を欠き、不便極まりないのである。又生前最も醜悪なる男女関係、世に言う逆様事などした霊は逆さに密着し、一方が立てば一方は逆さとなるというように、不便と苦痛は想像も出来ない程である。その他、人の師表に立つべき僧侶、神官、教育者等の男女の不純関係の如きは、普通人より刑罰の重いことは勿論である。

    category:霊界について | by:mistoshicomments(0) | -
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