霊界の構成.3

2019.09.23 Monday 08:31
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     次にこれは肉体の病気ではないー言わば精神的病気ともいうべき二十幾歳の青年があった。その頃彼は或花柳界の婦人に迷い、遂に合意の情死を遂げんとする一歩手前の処を私は奇蹟的に救ったのである。その際彼は二人分の毒薬を懐中に用意していたにみても危い処であった。私の家へ連れて来、早速霊的調査をしてみた。すると彼の口から、狐霊が憑依してそういう事をさしたという訳が分ったので、その狐霊へ対し戒告を与えなどして約二十分位で終った。終ったに関わらず彼は尚も瞑目合唱(これは被施術者の形式である)している。そうして左方に向かい首を傾けている。それが約三、四分位で漸く眼を開き、不思議そうに尚も首を傾げている。彼曰く『不思議なものを見ました。それは自分の傍らに琴の如き音楽を奏している者があり、その音色は実に何ともいえない高雅で、聞惚れながらあたりをよく見ると、非常に広い神殿の如きものの内部で、突当りに階段がありその奥に簾が垂れている。すると、先生が衣冠束帯の姿で静かに歩を運ばれ、階段を昇り簾の中へ入られた』との事である。私は『後ろから見たのでは誰だか分らないではないか』というと彼は『否、確かに先生に違いない』との事で、その服装は、冠を被り、纓(えい)が垂れ、青色の上衣に、表袴は赤色との事っであった。これは彼が一時的霊眼が開け、霊界が見えたのである。彼は何等の信仰もない商店の店員であって、霊的知識など皆無であるから反って信を置けると思う。そうして彼の坐した左側には神床があって、神様を祀ってあったのである。これはその時の私の幽体がその神殿の奥に居て出てきたものであろう。
     以上示した処の三例は、天国の室外と室内と天人の降下状態を知る上に於て参考になるであろう。
     次に仏界に於ける極楽の状態かいてみよう。この時の霊媒は十八歳の純な処女であった。この娘に憑依したのはその娘の祖先である武士の霊で、二百数十年前に戦死した由である。その霊は生前真言宗の熱心な信者で、死後間もなく弘法大師の団体へ入ったので、私の質問に応じて答えた処は左の如くである『最初自分が来た時は数百人位居たが、年々生まれ変る霊が入り来る霊より多いので、今は百人位に減じてしまった。そうして日常生活は大きな伽藍の中に住んでいて、別段仕事とてはなく、琴、三味線、笛、太鼓等の遊芸や絵画、彫刻、読書、書道、碁、将棋、その他現世に於けると略同様の楽しみに耽り暮している。又時々弘法大師又は○○上人(私はその名を失念した)の御説教があり、それを聞く事が何よりの楽しみである。又弘法大師は時々釈迦如来の下へ行かれるそうで、そこはこの極楽よりも一段上で、非常に明るく、眩しくて仰ぎ見られない位である。又戸外へ出ると非常に大きな湖があって、そこへ蓮の葉が無数に浮かんでおり、大きさは丁度二人が乗れる位で、大抵は夫婦者が乗っており、別段漕がなくとも欲する方へ行けるのである。そうして夜がなく二六時中昼間で、明るさは現世の晴れた日の昼間より少し暗く、光線は金色の柔かく快い感じである』ーと言うのである。
     私は度々極楽に住する霊から聞いた事であるが、極楽に長くいると飽きるそうである。二六時中遊びに耽るだけで面白くないから、神界の方へ廻して貰いたいとよく希望された。私は要求を容れて神界へ移住さした霊は少なからずあった。その理由は神界は最近活動状態に入り、諸神諸霊は多忙を極めている。言うまでもなくこれは昼間の世界が近づいた為である。何となれば神は昼の世界を主宰し、仏は夜の世界を主宰していたからである。

    category:霊界について | by:mistoshicomments(0) | -
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