「灸治法」

2020.01.25 Saturday 09:12
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    「灸治法には、古来からある艾(もぐさ)灸と、近来相当行われている温灸との二種であるが、これらは、薬剤療法よりは確かに効果はあるのであるが、これも体的が主であるから、完全療法ではなく、一時的の場合が多いのである。
    且つ人間は造化神が造ったものの中でも、最優秀品である。
    その皮膚の色沢、滑らかな肌、隆起曲線の美しさに見るも、到底、他の動物とは比較にならないのである。
    特に、婦人の玉の肌と曲線美に到っては、美の極致であるとも言ってよい。
    彼の西洋画家が、裸婦を以て美の極致とするのは、全くその通りである。
    故に、人間としては神から与えられたる所の皮膚は、弥(いや)が上にも美しく丹精を施すのが、神に対する報恩であり、至情でなくてはならない。
    そうしてこの美を、一年でも一月でも長く保持すべく、心掛くるのが本当である。
    しかるに何ぞや、灸のごときものを据える結果、点々として火傷である醜き痕跡止め、一生涯一種の不具者になると言ってもよいのである。
    かくのごとく、神の芸術品に対しての冒涜の罪は、必ずや何らかの刑罰を受けなければならないのは当然であるから、たとえ、治病の効果は相当ありとするも、それ以上の苦悩の因を作るのであるから、到底賛成し難いのである。」 (「新日本医術書」より)
     

    category:戦前の医学論文 | by:mistoshicomments(0) | -